今までご覧頂いていたのは、二次原型。ビスクドールというのは、スリップと呼ばれる液状の粘土を型に流し、廃泥し、焼成して作っていきます。これからそのビスクをつくるための石膏型を作ります。今までの人形はどうして原型と書いていたのか、それは、この石膏型を作る目的で作られていた人形だったからです。この石膏型があれば、ほぼ同じ人形を幾つも制作することが可能になります。
まず、パーティングラインを決めます。このパーティングラインとは、原型を分割する為の線のことです。何のために分割するのか分かり難いかもしれませんが、まずは、説明を進めさせて頂きます。今回は、2分割の型にしたかったので、そのように分割出来るような位置に原型を固定します。ドーナツ状に油土で作り、その上に顔の原型を置いたのが、上の写真です。
次に厚紙を2つに折り、折り目部分に色鉛筆で塗りたくります。(笑)鉛筆の芯が溢れんばかりです。本当は、デッサン等の画材で何かあるかもしれませんね。その二つ折りの厚紙を、垂直に立てたまま、原型のまわりを一周します。
そうすると、薄い色鉛筆の線が原型のまわりに印となってつきます。途中、線が途切れてしまうこともあるかもしれませんが、なだらかにつながるようなラインで印をガイドとして鉛筆で線を結びます。
同じようにして、全てのパーツにパーティングラインを結びます。各パーツの形によって、パーティングラインは変わってきます。基本的な考え方は、まず、目立たない位置を考えるだと思います。例えば、上の顔の場合、横にラインを作っていますが、これが顔の真正面だと目立ってしまうかもしれません。指の場合も同じです。手の甲や平を分割してしまうと目立ってしまいます。あとは、型から抜きやすいライン等、色々と考えることはあると思いますが、本城先生の本や、ガレージキットの解説本に詳しく書かれておりますので、そちらをご参照下さい。お薦め本については、まとめてご紹介させて頂きます。
取り敢えず、他のパーツは、どんな感じでパーティングラインを結ぶのか、写真をご紹介させて頂きます。
これは、足の指ですね。パーティングラインで型は分割されますので、この足用の石膏型も2パーツで作成されることになります。
太腿のような単純な形の場合は、楽ですね。やはり正面ではなく、真横にラインを結びます。
ボディーの場合は、微妙な曲線があるので、ちょっとパーティングラインが複雑になります。写真では1本だけですが、肩の受け部分には、もう1つラインを結びました。実際のイメージは、石膏型の制作過程でご説明させて頂きます。
手の場合も、基本は足と同じですね。
型は原型覆ってしまうだけだと、スリップを流しこむ口がありませんので、鋳込み口という穴が必要になります。勿論、この穴は、球体関節を繋げるゴム紐を通す穴にもなります。そこで、鋳込み口の穴のラインを結びます。
今回は、パーティングラインを結ぶところをご説明させて頂きました。正直、この分割は難しいです。僕も完全には理解出来ていません。実際に色々とやってみて、型が出来たら、きちんと取り出しやすいものなのか、スリップが隅々まで行き渡りやすいか、パーティングラインの目が目立たないところにあるかといったことの基準となってきます。パーティングラインについては、図解でご説明するのが一番分かり易いと思いますので、お勧めの本をご紹介させて頂きます。この本は、以前にもご紹介させて頂きましたが、本当はガレージキットという個人が作ったフィギュアを少量複製するための型をどう作るのか、そういった本です。パーティングラインについて詳しく解説されており、ラインだけでなく、原型をどのように配置して型を作るのが良いかといったことが分かり易くまとめられています。基本的な考え方は、ビスクの型でも同じですので、是非、ご参考にされて下さい。
また、今回ご紹介させて頂いた内容は、本城先生の本の1冊目に収録されています。少し違っている部分もありますが、石膏型を作るところまでまとめられておりますので、是非、ご覧下さい。
posted by コルム at 21:57| 東京

|
Comment(0)
|
TrackBack(1)
|
人形制作
|

|